CAT TOPICS
Parafull Beats vol.2 TOPICS
2年音楽ビジネス専攻 コンサート/イベント企画制作コース主催のイベント「Parafull Beats vol.2」が2月10日(月) ESAKA MUSEにて開催された。
これは学生たちが、”元気で明るく、時には癒してくれる空間をつくりたい!”というコンセプトを考えるところから始まり、アーティストのブッキングや広報活動など、一から全て学生が企画制作したイベント。
4組のバンドが出演し、vol.1を上回る約350名もの来場者が訪れ、会場は熱気で包まれる一夜となった。
▼Re:Lust Scene
トップバッターは前回の『Parafull Beats vol.1』からさらに成長した熱い演奏を見せてくれたRe:Lust Scene。
満員の観客を激しい演奏で魅了し、心の内から訴えかけるような力強い歌詞で聴く者を圧倒。
「人生をただ楽しむためだけに、ここに立っている」と言い放った彼らがとても頼もしく感じられた。
▼Rhycol.
強烈な『intro』から、4人の計算されたメロディとアンサンブルの勢いで一気に会場の雰囲気を変えたRhycol.。
途中、バンドと観客みんなで手を上げて写真撮影を行う場面も。
新曲やスローチューンなどもはさみ、最後は『outro』で締める。
彼らの独特の世界観と作りこまれた音楽は大阪バンドシーンでも至高といえるだろう。
▼UNCHAIN
江坂MUSEに出演するのは10年ぶりというUNCHAIN。
少しアップテンポな曲から始まり、観客も自然と体を揺らし始める。
そして、会場を包み込んだ圧倒的なボーカルはライブハウスに居ることを忘れてしまいそうになるほど。
頭上で輝く照明とミラーボールの演出が彼らの演奏を一層際立たせていた。
▼THE ORAL CIGARETTES
イベントのトリを飾ったTHE ORAL CIGARETTES。
観客全員が両手を上げ、高く飛び跳ねていたのが印象的だ。
始まった瞬間から会場のボルテージは最高潮になり、「かかってこい!」と言わんばかりのパフォーマンスを畳み掛けていった。
『mist…』という曲では途中でボーカルが止まると観客が一斉に歌い始め、その瞬間に鳥肌が立った。
MCで「わがHOMEへようこそ!」と1年ぶりに江坂MUSEに戻ってこれたことを喜び、「江坂大好き!」の思いが全身で感じられる愛と気迫あふれるステージはまさに圧巻だった。
そして、前回に引き続き、今回も出演していただいた全バンドに音楽ビジネス専攻の学生がインタビューを行いました。
出演者インタビュー
THE ORAL CIGARETTES(ジ・オーラル・シガレッツ)
メンバー/山中拓也(vo & g)、鈴木重伸(g)、あきらかにあきら(b & cho)、中西雅哉(ds)
’11年結成。精力的なライブ活動により地元の奈良はもちろん関西圏で知名度が浸透し始める。
その肉体的でアグレッシブなライブパフォーマンス、内面から溢れ出すリリックを緻密に計算されたアレンジで料理した楽曲は、ファンをみるみるうちに増やしていく。
’12年、MASH A&Rオーディションにてグランプリを獲得し、知名度が一躍全国に拡大。
’13年夏、待望の全国流通盤となる1stミニアルバム『オレンジの抜け殻、私が生きたアイの証』をリリース。
……変拍子が多く、曲によってカラーが変わる印象です。THE ORAL CIGARETTESの楽曲のルーツになっているものは何ですか。
山中(vo & g)「ルーツと言ってパっと出てくるものはないですね。今までにある曲を作っても意味がないと思っているので、常に新しいことをやっていきたいなと思っています」
あきらかにあきら(b & cho)「雑食なので、なんでも食べたがります」
……ジャンルとしてはロックを基本にしているのですか。
山中「そんなこともないです!車の中で常にジブリの音楽を流しているときもありますし、それぐらいいろんな音楽を聴きます」
……すごくファンク色の強い楽曲もありますよね?
山中「THE ORAL CIGARETTESを組む前に、この二人(山中とあきらかにあきら)でレッド・ホット・チリペッパーズの影響を受けたファンクロックのバンドをやっていたもので…。基本的にこの二人が曲を作っているので、もしかしたらルーツとしてファンクロックに寄ってしまっているのかもしれないですね」
……“大魔王参上”など中毒性が強く、耳に残りやすい楽曲はいつ生まれるのですか。
山中「”大魔王参上”ってフレーズだけが電車の中で思い浮かんで、自分の中で忘れないように”大魔王参上大魔王参上…”ってずっとつぶやいていたらそれがサビになりました!(笑)」
……そういった発想の面白さも含めて、すごい野望を秘めていそうでますます気になる存在です。
山中「2014年の顔になります!ロック界でも日本でもなく世界の顔になります!」
……まだまだスケールアップしていきそうで楽しみです。ところで、この『Parafull Beats vol.2』の”Parafull”は、”パワフル”と”カラフル”の造語なんですが、みなさんの毎日をカラフルに彩るものは何ですか。
あきらかにあきら「会話ですかね。凄く4人でいると会話が多くて、ずっとちょけています。(笑)プライベートでもそれぞれユーモアが溢れています」
……コミュニケーションは大事ですよね。そんなみなさんから音楽業界で仕事をすることを目指しているCATの学生にメッセージをお願いします。
山中「やっぱり人との関係がどれだけ作れるかだと思います。僕たちは音楽の専門学校に通って専門的な知識を勉強してきた訳じゃないし、全部独学でやってきました。でも僕たちTHE ORAL CIGARETTESが成り立っている核は人との繫がりだと思っています。人脈があれば辛い時もきっと助けてもらえると思いますよ」
……ありがとうございます。がんばります!では、最後に今後のライブ情報を教えて下さい。
あきらかにあきら「7月5日(土)に大阪ミナミで開催される『見放題』というイベントに出ます。僕たちも去年、このイベントに凄く力を借りたので、今年は恩返しできたら良いなって思っています」
UNCHAIN(アンチェイン)
メンバー/谷川正憲(vo & g)、谷浩彰(b & cho)、吉田昇吾(ds)、佐藤将文(g & cho)
1996年結成。ブラック・ミュージックのエッセンスを絶妙にブレンドしたグルーヴィーなロックを鳴らす京都府出身の4ピースバンド。
’11年、新レーベル”STYLE_MISSILE records”を立ち上げる。
これまでに6枚のフルアルバムを発表。’14年2月26日にカバーアルバム『Love & Groove Delivery vol.2』をリリース。
……自然と体が揺れるようなすごい気持ちのいいライブで本当に楽しかったです。ギターのフレーズが独特ですが、曲作りはどのようにされているんですか。
佐藤(g & cho)「当初はギターから組み立てていったような感じでしたが、ここ3、4年はドラムとベースから曲を組み立てるようになってきました」
谷川(vo & g)「いわゆるギターロックと言われたりするんですが、ブラックミュージックが大好きなので、そこに近づくためにドラムとベースのリズム隊だけで成立できるようなものを目指したいというのはあります」
……”UNCHAIN”という単語には”鎖を解く”や”解放する”といった意味がありますがバンド名に込められているメッセージみたいなものはありますか。
谷川「英語の意味以外で言うと、”一つのジャンルにこだわらない”という意味と、”一つのジャンルに繋いでおけない”という意味と、あとは、”友達がいないからUNCHAINになろう”ということですね。人見知りをなくそうということです」
谷(b & cho)「みんなひきこもりがちなんですよね」
谷川「”心を解放する”っていうことがどうしてもできないからこそ付けたバンド名でもあります」
谷「自分らへの催眠術です」
……自己暗示的な意味も込められているんですね。
谷「そうですね。あとステージと客席の間になんとなくある壁っていうのも取り除いて、音楽という手段で繋がって行くというのもバンドの目標です」
……昨年から『Love & Groove Delivery』というカバー・アルバムをリリースされていますが、これは今後もシリーズ化されるのでしょうか。
谷「最初は配信限定だったんですけど意外に反響が良かったんです。それとカバーをやると色々勉強になることが多いので、できれば続けて出していきたいですね」
……では最後に今後の活動や野望があれば教えてください。
谷川「今UNCHAINのオリジナル楽曲を数えてみたら99曲あるので、それを東名阪、福岡、仙台の5日間で全部やるツアーが3月16日から始まります。大阪は3月21日(金・祝)のBIGCATです。それでもう一度”自分たちってこうだよね”みたいなのが見えればいいなとも思っていますし、2014年はそこからですかね」
Rhycol.(リコル)
メンバー/金城直敏(vo & g)、小林直人(g)、松藤裕志(b)、上田圭佑(ds)
’07年結成。大阪を中心に活動を始める。
翌年には活動の範囲を全国へと広げ、圧倒的なライブパフォーマンスで高い評価を受ける。
洗練された斬新なアレンジと独特な旋律から生まれるダイナミックなサウンドを基盤に、世界観溢れる歌詞と繊細かつレンジの広いボーカルが絶妙なバランスで絡み合い、独自のアンサンブルを生み出す。
……インスト曲で始まってインスト曲で終わり、ワンマンライブのような素晴らしいライブでした。
金城(vo & g)「ちょっとショーっぽくしようと思っていて、イントロとアウトロはバンドを始めた頃からずっとやっています」
……”ショーっぽく”というのは?
金城「ただ盛り上がるだけのバンドよりも、起承転結をはっきりさせたライブをやりたいんですよ」
……すごくこだわりを感じます。他にも何か演奏する時にこだわっていることがあれば教えてください。
金城「ベースもギターもドラムも全てメロディーだと思って作っているので全部が歌っぽくなるように作っています」
……この『Parafull Beats Vol.2』の”Parafull”は”パワフル”と”カラフル”の造語なんですが、それにちなんでメンバーの皆さんのパワーの源を教えてください。
金城「他のバンドに負けるかっていう気持ちですね」
小林(g)「お客さんの笑顔かな」
上田(ds)「そうですね。みんなの笑顔がチカラになります」
松藤(b)「ご飯をいっぱい食べることですね」
……このイベントは企画から運営、デザインや宣伝も全て学生たちで行っている手作りのイベントです。これからもこういったイベントを制作したり、出演していく私たち学生にメッセージをお願いします。
金城「制作する学生さんには、いろんなことを含めて楽しかったと言えるイベントを作ってほしいですね。演奏する学生さんには、”今のうちに練習しとけよ!”っていつも言うようにしています。それと、やっぱりライブに行くことが大事だと思います。もっと好きなことに貪欲になって、今のうちにいろんなライブに行って、そこでライブ以外のところも見るようにしてほしいです」
上田「現場での経験が何より大事だと思います」
松藤「常にハングリー精神を持って、ガツガツいってほしいです。若いうちにわからないことは先輩にいっぱい聞いて、あとはもう楽しむだけですね。それが一番だと思います」
……わかりました。ありがとうございます!最後に、今後の活動について教えてください。
金城「3月7日(金)に心斎橋Pangeaで開催される『秀吉 presents 「むだいの音楽会2014-大阪編-」~MINAMI CROSS FEVER #17~』というイベントのサポートをします。見とけばよかった!って今に思うから、ぜひ遊びに来てください」
Re:Lust Scene(リ・ラスト・シーン)
メンバー/小宮卓也(vo & g)、高岡大作(g)、小山勇一(b)、芝・パパス・公二郎(ds)
2013年5月に結成。
混沌とした4人の欲望や葛藤を楽曲で表現し、大阪を拠点に精力的に活動中。
彼らでしか創造できない世界観は聴く者を圧倒するパワーを持っている。
キャットミュージックカレッジ専門学校2年音楽ビジネス専攻/音楽マネージメントコースが手がける’13年度のモデルミュージシャンに抜擢され、1stCD『Re:Long time no see』をリリース。
……今までで一番観客が多いライブだったと思いますがいかがでしたか。
芝(ds)「テンションが上がりまくりました」
小宮(vo & g)「みんなが僕らの歌や話に耳を傾けてくれていてすごく嬉しかったです」
高岡(g)「ライブ中に手拍子を煽ったらみなさん手を叩いてくれました」
……前回の『Parafull Beats vol.1』はオープニングアクトとして出演し、今回『Parafull Beats vol.2』ではメインアクトとして出演されましたね。前回と比べて何か意識的なものなど変化をつけたことはありますか。
小宮「気楽にいこうや!っていう気持ちよりも、もっとシビアに緊張感を持つように意識しました。競演するアーティストも凄いバンドの方々ばかりだったので、自分たちもしっかり気構えていこうと思いました」
高岡「今日は、自分たちがモデルミュージシャンとして今までお世話になった音楽ビジネス専攻/音楽マネージメントコースの方々をはじめ、このイベントを作って下さった方々とも最後のライブだったので、前回よりもさらに良いライブにしようという意気込みで臨みました」
……ところで、YouTubeに投稿されている『憂い、溺れた』のミュージックビデオにはストーリー性を感じましたが、何かテーマがあるのですか。
小宮「歌詞に沿ったミュージックビデオになっています。冒頭にテレビをつけるシーンがあるのですが、部屋でテレビを見ているのが現実の自分で、テレビの中にいるのが理想の自分。その現実と理想の間で葛藤する自分というのを表しています」
……とても興味深い内容です。みなさんはこの1年間モデルミュージシャン(プロフィール参照)として活動されてきましたが、振り返ってみていかがでしたか。
小宮「とても感謝しています。自分たちだけではここまでいろんな事はできなかったし、CDも作れていなかったと思う」
芝「CDのジャケットのデザインも凄く凝ったものを作って頂いてありがたいなと思っています」
高岡「普通はこんなにも凄いアーティストと一緒にライブをすることはできないので、本当に良い経験をさせて頂きました。モデルミュージシャンをして良かったなと思いました」
小山「個人的には凄い迷惑をかけて申し訳なかったなと思っています(笑)」
……充実した一年間でしたね。最後に今後の抱負を聞かせてください。
小宮「自分たちの力で今日のようにたくさんのお客さんを呼んでステージを作れるように頑張ります!」
当日、スタッフとして頑張っていた学生たち